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作品サイズ タテ180cm×ヨコ180cm 作品拡大

 

 

On The Earth

オーストラリア:ノーザンテリトリー

 

オーストラリアのノーザンテリトリー地方にあるアリススプリングは

エアーズロックに行くための旅行者が皆通りすぎるだけの

町全体が駅のような町だ。

町のまわりはあきれるぐらい広い砂漠が拡がっていて、

小高い丘がくるっと町のまわりを囲んで裁くからまもっている。

展覧会の会場に汚い服をきた浮浪者のおじさんが入って来た。

僕のコラージュをみながら、「絵を描くから絵の具を貸して」といった。

会場に誰もいなくて、絵の具は見つからなかった。

「じゃあこの石をあげる」と言って握りこぶしぐらいの平たい石を

くれて出ていった。戻って来たギャラリーのスタッフにそのことを話したら、

「あー!きっとジョニーだ!」って大騒ぎになった。

ジョニーはアボリジニーアートが世界の美術マーケットに出始めた

60年代のアボリジニーアートの第一人者で伝説の絵描きだった。

今は、アルコールでボロボロだけど、時々フラッとギャラリーにきて

絵をかいて行くらしい。最近見ないから皆さがしていたそうだ。

石をもらったと言ったらアボリジニー文化を研究しているスタッフが

「ここのまわりは砂漠で年に一度の雨期に数回川ができるくらいだから

石が丸くなるには、とてつも無く長い時間がかかる。

アボリジニーが丸い石をあげるのは、すごく特別なことで

ジョニー絵描きでもあるけど呪術師でもあるから

丸い石を家族以外の人にあげるなんて聞いたことが無いし、

こんな大きな丸い石も見たことが無い」と凄く驚いていた。

日本に帰る2日まえ盛大にパーティーしてもらい

ジョニーもチラッときてすぐいなくなった。そのあと砂漠にキャンプにいった。

砂漠から直接空港に行って帰るつもりだったが突然の大雨で道路が遮断され、

空港に行けなくなってしまい僕は生まれて初めて国際便に乗り遅れてしまった。

このディスカウントチケットは戦争がおこっても

変更や払い戻しはできないと旅行会社に念をおされていたので

青くなっていたが町に戻れたのは、フライト時間の6時間後だった。

次の日、道で偶然ジョニーに会い「まだ、いるんだよー」と言うと

ジョニーは「あー、あの雨はオレが降らしたんだよ」と言ってうれしそうに笑った。

 

 

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